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しまなみ行脚 ディープ編

「しまなみ海道の魅力は、ブルーラインだけではない」
同じ講演の登壇者だったMr. Paul Walshはそう言った。
これには自分もまったく同感。ブルーラインは推奨ルートを示してくれているので迷わなくて済むが、迷うのが旅の醍醐味であることを、多くの人は知っている。そこにあるのは、出会いやふれあい、知識や心の充足。

しまなみ海道ファンの方には大変申し訳ないが、海沿いの道は日本中どこにでもあり、景色は微妙に違えど、大差ない。私の住む三重県だって、伊勢・志摩・鳥羽といった風光明媚な海岸線がたくさんあるし、海の上を渡る橋だっていくつかある(島ではなく湾にかかる橋だけどね)。

ブルーライン以外にも、もっとすごい価値・資源があるはず・・・そんな思いを馳せながら、「しまなみ海道」「ゆめしま海道」を走ってみた。

たとえば橋。しまなみ海道で橋を渡ると、海の上を走れることに感動してしまいがちだけど、多々羅大橋は斜張橋(吊り橋の一種)では日本一の長さを誇るって聞いてから渡ると、もっと楽しい。
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柱の間隔は890mで、世界第4位。完成当時は世界1位だったそう。

例えばフェリー。島の人には日常の風景かもしれないが、旅人にとっては異空間。たった5分の航海中、地元のおばあちゃんが
「あんたらどこから来たん?」
に始まり、
「これ、うちの爺ちゃんが作ったの。旅の思い出にどうぞ~」
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根付けみたいな?キーホルダーをもらいました。
サイクリストは基本止まりませんからね。橋だけを走っていたら、こんな素敵な出会いは、きっとなかったと思う。

そんなノリで、ブルーラインを外れ、ふらふらと。
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昭和の香りがプンプンするサイダー屋。久しぶりの瓶ラムネ。瓶が貴重になっているらしく
「ここで飲んでってね」
とばーちゃんが言えば、
「今日は寒いけ~、全部飲むの大変じゃろ!わははは!」
とじーちゃん。

山の中にひっそりとある、チョコファクトリー。
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超個性的な味。カップまで個性的。ホットチョコレートではなく、ホットカカオミルクをチョイス。初めての味。


今回の講演で私が提示したキーワード

「自転車を楽しむため」の旅
 と
「旅を楽しむため」の自転車

似ているようで、まったく違う。
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しまなみ行脚

しまなみ海道、サイクリストなら誰もが知る場所。

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しまなみと言えばここ、サイクリストの聖地碑。

今回はしまなみジャパンさんからお仕事をいただいたので、改めてしまなみ海道を深掘りさせていただいた。お仕事の前、まずは「ゆめしま海道」を走る。定番のメニューよりも、裏メニューから攻めるところが「やっぱり自分はアマノジャクだな~」と思う。えぇ、自認してるんだから許して下さい。
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実は「ゆめしま海道」と「しまなみ海道」は接続していないので、そこへ辿りつくにはフェリーしかない。でも、このフェリーがたまらない!ドラクエで町からフィールドへ出発するみたいな感じ。頭の中ではすぎやまこういちがエンドレスで鳴り響いている。
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5分で到着。自転車から離れて写真を撮ろうとしたら「すぐ着きますからね~」と教えてくれた。

コースは因島から生名島へわたり、佐島、弓削島を橋って、ふたたび因島へ戻る約10km。「ゆめしま海道」にも「しまなみ海道」とおなじく、海を渡る橋あり。こっちは一般道なので、ローカル旅行感は高い。
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上弓削港の近くで1本入ると、なまこ壁。こういう風景も素敵。

それではあまりにもアマノジャクすぎるので、ちゃんと「しまなみ海道」も走りましたよ。因島から大三島まで、約25km。
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レモンの島を走ったり、

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いかにも「しまなみ」な、橋を渡ったり。

なるほど、なるほど。いろいろ感じることができて、面白かった。やっぱり、自分の脚で確かめてこその「行脚」。

サイクリングルート構想に想う

年末のある日。
朝刊の1面を自転車がドカンと飾っていたので、思わず「うぉ!」と声をあげた。

1400キロ、つながる自転車道 五輪控え全線整備へ

すごい!日本でもこれだけの距離を走れるルートが!これは楽しみ~とワクワクしたが、読み進めるにつれ不安が・・・
この計画、関係各所が一生懸命考えて作っているとは思うが、率直に言って「うむむ・・・」なのだ。

専門家の言として「外国人旅行者を呼び込むゴールデンルートになる」とあるが、外国人旅行者は本当にこのルート使うの?って思う。というのも、西井家は外国人自転車ツーリストに一宿一飯を提供するwarmshowersのホストに登録しており、これまでに何人もの外国人自転車ツーリストが滞在していった。ホットスポットになっている理由は単純。伊勢神宮の近くにあるホストは西井家だけだから(笑)。
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ツーリストが西井家に滞在している間、食卓を囲みながら旅の話に花が咲く。そこで、ツーリストの生の声を耳にする。
「明日は○○へ行くつもりだけど、どのルートが交通量少ない?」
という一般的なものから始まり、
「道の駅は食材が安いし、トイレもあるから便利。日本の『道の駅』を全部、グーグルマップに落とし込んであるサービスがあるの」
「ネットはコンビニのWi-Fiで済ませてる。日本はコンビニが多いから、それほど困らないよ。」
なんて声まで。
そんな彼らの声からすれば、すくなくともウチにコンタクトのある外国人自転車ツーリストは今回提案された道をほとんど走っていない。唯一マッチするのは、鳥羽~伊良湖間のフェリーぐらいだ。つまり、冒頭にあった「外国人旅行者」はターゲットにならないかもしれない。

いや、待て。「外国人旅行者」は自転車ツーリストではなく、単に「外国から来た旅行者」とも読み取れる。ではその「外国から来た旅行者」がレンタサイクルなどで、ここを走る可能性はどうだろう?海沿いは景色がキレイ!ったって、海は世界中どこにでもあるし、このルート沿いの海がインスタ映えするような青い海というワケでもない。フツーの外国人旅行者がサイクリングをしたがる、というのも想像しにくい。

では、「1400kmのサイクリングルート」という言葉にトキメキを覚えそうな、ロード乗りの人たちはどうだろう?わざわざこのルートを走破しに行こう!と来てくれるのだろうか?私はこれまでに、このルート中の和歌山県新宮市~三重県鳥羽市、愛知県の伊良湖周辺を走ったことがある。だが、交通量が多くて恐かったり、海岸沿いなので砂がたくさん浮いて滑りやすかったり、車止めでライドが頻繁に止められたりと、ロードが快適に走れる空間ではなかった。そりゃそうだ。「自転車専用道」とは限らないからだ。

いやいや、よく見ろ。新聞には「五輪控え全線整備へ」とあるではないか。整備によってとても走りやすい空間になったとしよう。それならどうだ! うーん、それでも怪しい。例えば「しまなみ海道」は、「自転車で海峡を渡る」というわかりやすいストーリーがある。しかも、自転車でこれだけの長さのある海峡を渡るのは、世界でここだけしかないという付加価値もある。今回提案されたルートの場合、「海沿いの道を繋げたら、1400kmを確保できました」という事実はあるが、それ以上の「わざわざ走ってみたくなる理由・価値」というのが、見えてこない。そう、そこを走っている姿を想像し、行ってみたいと思いを馳せるストーリーが見えてこないのだ。

走ってみたくなる場所、いつかは行ってみたい場所。
サイクリストが心躍るせっかくのプロジェクトなんだから、ぜひそういうストーリーを盛り込んだ素晴らしいルートに仕上げて欲しいです。

リフォームの途中ですがニュースです

本日の伊勢新聞さんに1面使った登場をさせていただきました

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出典:伊勢新聞

取材の時に、「西井さんはどんなことをやってらっしゃるんですか?」と聞かれ
「自転車を中心軸としているのは間違いないんですが、その軸にまつわるありとあらゆるコトをやっていますね・・・」
「マウンテンバイク専用コースの企画・設計、国際大会の運営といったスポーツ的側面もあれば、自転車関連企業と共同で研究もしていますし、もっと一般的なところでは小中高で交通安全教習もやっていますし、地元の製材所や大工さんとタッグを組んで総桧製のバイクラックもプロデュースしていますし・・・例えるなら太陽系みたいなもんですかね?」
「太陽=自転車とすると、惑星がそれぞれコンテンツで、その惑星の衛星がスピンオフして派生したオプションみたいな。」
「なんだか壮大な話になってきましたね 笑」

ということで、「自転車総合プロデューサー」という称号をつけていただきました。略して「自転車のプロ」笑

これからもコギつづけますので、叱咤激励をよろしくお願いいたします。

東ドイツに学ぶ

今回は午前にMTBの学校、午後から名古屋の大忙しDAYでした!

MTBの学校の様子は公式ブログに書いてあるのでそちらをご覧いただくとして、こちらはB面的要素を少し書きます。
(A面、B面という表現がもはや死語ですね・・・)

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それにしても、良い季節だ~

MTBの学校ではもちろんMTBの乗り方を教えますが、あまり専門的なことは教えません。自転車に特有の乗車技術は、こども自身が「技を知りたい!」「もっと上達したい!」と内なる欲求が高まってからで良いと思うからです。あまり自転車のことばかりやっていると、自転車しかできない大人になってしまうことが心配だからです。これは自転車に限ったことではなく、サッカーや野球など、競技人口が多く競争率の高いスポーツではもっと顕著だそうです。

なので、今回も途中でこんな状況になったりしますが(笑)

本当は下るところなのに、なぜか登りたがるんですよね・・・

これは、いつも当ブログで書くように、「雑多な遊び」をすることがその子の「体の使い方」という引き出しを増やし、将来的なパフォーマンスに繋がっていくという確信があるからです。そのことを確かめるために、今回は名古屋で開催されたセミナーへ参加してきました。

「ドイツ・スポーツ運動学Ⅱ -スキル学習指導-」と題されたこのセミナー、講師はいわきFCのアドバイザーをされている小俣よしのぶ先生。我々、研究・教育領域のゴールデンスタンダードとも言われている「スキャモンの発育発達曲線」をバッサリ切ったりして、これまでの理論に一石を投じていらっしゃる方です。
参考記事

この記事を読んで個人的に特に興味を持ってしまったのが、東ドイツの話。
小俣 当時はまだ東西冷戦の中であり、1988年のソウルオリンピックではメダル獲得数1位がソ連、2位が東ドイツ、アメリカは3位でした。アメリカはアフリカ系の選手が多く出ているのに、東ドイツは当然ながら東ドイツの選手だけ。にも関わらず、たくさんメダルを獲得している。「これは何かあるに違いない」と思って帰国後に研究を始めました。東ドイツは全く資料が手に入らないので、なかなか大変でしたね。ソ連からマトヴェーエフ博士の論文や文献等は手に入りましたが。
上記のリンクより引用

ウルリッヒの一件もあったようにドーピングの可能性も否定できませんが、ドーピングが日の目を見るような効果を出すためには、そもそもその選手が相当なハイレベルであることが前提条件です。つまり、「相当なハイレベル」に到達するための基礎が東ドイツにはあるのではないか、と感じたわけです。

そして有名なスキャモンの発育発達曲線についても、
――スキャモンの発育曲線は、「The Measurement of Man」という書籍のごく一部分に掲載されているにすぎないのですね。
小俣 彼はもともと解剖が専門です。臓器を取り出して計量し、それをグラフ化したものが「スキャモンの発育曲線」で、人間のプロポーションがどのように変化していくかを見たものです。胴体は、臓器を入れるために大きくなる。ということは、何歳でどれぐらいの臓器の量に達するかわかれば、胴体の大きさを推測でき、順調に発育しているのかどうかの判断材料になります。でも、スポーツ科学は関係ありません。

上記リンクより引用

うむむ・・・もしコレが本当だとしたら、これは相当にまずい。今までこれがスタンダードとして教えてしまっていた。教科書にもそう書いてあるので、なんの違和感も感じていませんでした。

2017/11/14 追記
新たにこんな記事も上がっていました。ぜひご一読下さい。

セミナーの内容を詳しく書くのは控えますが、私も混同して使っていた「テクニック」と「スキル」の違い、「コツ」と「カン」などが整理されて、視界がこれまで以上にクリアになりました。そして、私がいままでお伝えしてきた「雑多な遊び・動きの中にこそ、将来的なパフォーマンスに繋がる答えがある」の考えも小俣氏から太鼓判をいただきました。
また、現在のスポーツ科学の基礎となっている定量的な評価だけでなく、私が現在所属している感性工学研究室でやっているような定性的な話が重要だということも確認できました。

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ということで、これからも私のスクール・セミナーでは種々の遊びをとりまぜながら、五感の感度を高めるような内容で進めていきたいと思います。

結論
結局のところスポーツ(≠競技スポーツ)の起源は「遊び」ですから、感性に従って楽しむのがイチバン!
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プロフィール

Nishii Takumi

Author:Nishii Takumi
○株式会社 地域資源バンクNIU 取締役
○サイクリストの秘密ラボ・flasco主宰
○博士(体育学)
○中京大学人工知能高等研究所 研究員
○2008北京オリンピックMTB日本代表チーム 監督
○2010ユースオリンピック(シンガポール)・2014ユースオリンピック(南京) 自転車日本代表チーム 総監督

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