初めての自転車 選び方 その2

さて、前回は選び方その1と称してロードについて書きましたが、今回はクロスバイクです。

クロスバイクはロードよりも最初の1台としてお勧めです。
その理由は

1.よく効くブレーキ

2.適度なタイヤ太さ

3.それほどきつくない前傾ポジション


です。

まず1ですが、MTBにも使われている(現状としては使われていた・・・かな?)Vブレーキを搭載していることが多いです。このブレーキは停止までを視野に入れた制動力があるので、町中で急制動が必要になるような場合にもロードよりは安心できます。

それに関連するのが2のタイヤ太さです。ブレーキはタイヤを介して地面に摩擦力を伝えているので、細いタイヤよりは太いタイヤの方がブレーキの力が伝わることになります。ロードだとタイヤの太さがだいたい19~23mmぐらいですが、クロスバイクだと28mm~32mmぐらいです。たった5mmの違いしかありませんがタイヤに入れられる空気の量が違いますので、見た目・乗った感じとも印象はかなり違います。
また空気の量が多いと言うことはタイヤのサスペンション効果が高まりますので、乗り心地もロードに比べたらかなり良くなります。

そして3ですが、クロスバイクは非競技的スポーツサイクリング用自転車なので、ハンドルもロードと比較して高く近い設定になっています。とは言いつつもママチャリと比べたらかなり低く遠いので、鵜呑みせず自転車店でまたがって確認しましょう。

と、ロードに比べたら良いことずくめのように思えますが、あくまでも「ロードと比べたら」レベルです。
タイヤが少々太くなったとはいえ、まだまだママチャリより細いぐらいです。なので、歩道の段差などの路上障害物はちゃんと抜重して越えないとすぐパンクにつながります。
段差に斜めから進入なんていうのは、ロードと同じぐらいの慎重さが必要です。

ロードの1で書いた「実用速度域」について、クロスバイクは何km/hぐらいに設定されているのかよくわかりません。でもおそらく、歩道を走るような低速にはなっていないでしょう。おおむね20~30km/hぐらいかと予想します。
誤解の無いように書いておきますが、自転車は車道を走るべきです。これははっきりと申し上げておきます。
あくまでも都市部の現状として自転車が車道を走れるような環境になっていないため、歩道を走行せざるを得ない事態を想定してのことです。

このスピードにしてあのブレーキとタイヤだと、個人的にはちょっと不安です。つまり、ブレーキ性能は格段にアップしたのに、タイヤがまだまだ細くてスリップしやすいままだと思うのです。
タイヤが細いほど地面との摩擦抵抗が減って、より少ない力で高速に走れるようになりますが、その反作用として乗り心地や制動能力を犠牲にします。
前回お話ししたように町乗りでは急ブレーキのシーンが沢山ありますから、はたしてビギナーの方がスリップする(スリップしかけた)自転車をコントロールしきれるかどうかは疑問です。

また、実用速度域が20km/h~というのも歩道を走る上では微妙な設定です。
たとえば歩行者の移動スピードは4km/hぐらいですから、その5倍のスピードで横をすり抜ける・・・しかも歩行者の間を縫うようにジグザグ運転しながら・・・車道に置き換えてみれば、40km/hで走っている原付の間をスポーツカーが200km/hですり抜けていくのと同じことです!
クロスバイクやロードバイクはそういう細かいジグザグ運転を得意とした設計にはなっていません。どちらかと言えば車道を流れに乗って、スイーっと走っていくための自転車です。
そういう設計の自転車で歩道を走るとしたら、その自転車が持つ快適な巡航速度を犠牲にして安全に回避できるよう走るしかありませんが、それももったいない話ですしフラストレーションのたまる走り方ですよね。

ですから、郊外にお住まいの方で車道をスイーっと走って行ける場合には、クロスバイクは最初の1台として最適かもしれません。

次回、MTB編に続く。
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プロフィール

Nishii Takumi

Author:Nishii Takumi
●株式会社 地域資源バンクNIU 取締役兼CTO
●中京大学人工知能高等研究所 研究員
●博士(体育学)
●2008北京オリンピックMTB日本代表チーム 監督
●2010ユースオリンピック(シンガポール)・2014ユースオリンピック(南京) 自転車日本代表チーム 総監督

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