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ワールドカップ遠征で得たもの

大変遅ればせながら、ご報告です。
今年よりWIAWISチームを発足いたしました。また、昨年はテストライダーだった中島崚歩選手をアンバサダーとして迎え入れ、国内CJシリーズを中心に活動の場を広げていきます。


その中島崚歩選手ですが、4/24に開催されたワールドカップ@オーストラリアに参加してきました。

sNakagawa.jpeg (C) Hiroyuki Nakagawa

結果から言うと、女子U23クラスで9位。9名出走だったので最下位です。


しかし、今回の遠征に際して、私たちの目的は成績ではありませんでした。
今回の目的は「世界トップクラスになるためには、どれぐらいのスピードが必要かを確かめてくること」でした。そのためには、WC@オーストラリアが最適だと考えたためです。
その理由は...


1. 参加選手が少ない
一見すると、参加選手が多い方がトップクラスが多数集まるから良いんじゃないの?と思われるかもしれません。しかし、参加選手が多くなればなるほど、UCIランキングの低い中島選手はスタート位置が後ろになってしまいます。これではスタート後の混乱に埋もれて、世界トップクラスと併走することは実現できなくなってしまいます。
奇しくも予想が的中し、今回の出走は9名。むしろ、本気でWCを転戦するトップ中のトップに厳選されたうえに、全員がスタートライン横一線に並んだので最高の条件が整ったと思います。


2. 初戦なので、課題を修正しやすい
今回のWCは4/24におこなわれました。つまり、シーズンが終了する11月までに、今回の遠征で見つけた課題に向かって取り組む時間が十分にあります。
また、このオフシーズンに取り組んできたトレーニングが、どれほどの成果があったかを確認することもできます。実際に、「最初の登りは先頭集団で登り切れたことが自信に繋がった」「SFMのハードなコースで慣れていたおかげで、下りは思っていた以上に行けた」と言っておりました。その先に見つかった課題については・・・取組中なのでナイショです。


3. ヨーロッパへ行くより、圧倒的に近い・安い
今回の遠征にはLCCを利用しました。LCCだと航空券が安いこともメリットですが、荷物の重量を「買う」ことができるのもメリットです。つまり、LCCだと最初から「40kg持って行くので、その分の重量を購入します」ということができます。これは、超過重量分の料金を支払うよりコストが抑えられます。
そして、フライト時間も短いし、時差も少ない。時差調整に気を使わなくて良いのは、とても重要な要素です。


そんな条件が整うのはオーストラリアだったため、参加を決めました。


結果は冒頭でお知らせしたように9人中9位。
スタートから飛ばさず自分の実力どおり走れば、8位か7位になったかもしれません。しかし、それは私たちにとって意味のないことでした。
世界トップクラスの、ガチンコ勝負のスピードを自分の脚で経験しなかったら、いつまで経っても想像の域を脱しません。未知の点ではなく、既知の点にすることが遠征の真の目的だったからです。数学的な外挿・内挿と同じ考え方ですね。


とにかく、今回の遠征で最大の目的は達成できました。
あとは、それに向けての課題をクリアしていくだけ。
彼女にとって世界トップレベルのスピードは、既知の点になったのですから。

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プロフィール

Nishii Takumi

Author:Nishii Takumi
○株式会社 地域資源バンクNIU 取締役
○サイクリストの秘密ラボ・flasco主宰
○博士(体育学)
○中京大学人工知能高等研究所 研究員
○2008北京オリンピックMTB日本代表チーム 監督
○2010ユースオリンピック(シンガポール)・2014ユースオリンピック(南京) 自転車日本代表チーム 総監督

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